こんにちは、オペレーション本部サービス基盤部の伊藤です。
前回はオートロードバランスとヘルスチェックについて紹介させていただきましが、 今回は、それ以降 IDCFクラウド CDN に追加されたエンハンス機能やアップデートについてご紹介していきたいと思います。
これまでより便利に使える機能が追加されていますので、ぜひご利用いただければと思います。
便利なサンプルスニペットが追加されました!
VCLスニペットをより便利に活用するために、サンプルとなるスニペットが大幅に追加されました。
これにより、様々なカスタマイズを容易に実現することが可能になります。
追加されたサンプルは以下です。
- 巨大ファイルをキャッシュする
→セグメントキャッシュの機能を利用し、動画ファイル等の巨大なファイルサイズのキャッシュが可能になります。 - 特定のパス配下をキャッシュさせない
→/example1
等、特定のパス配下にキャッシュさせたくないコンテンツを配置することで、キャッシュさせたいコンテンツと区別させることが可能です。 - 特定の拡張子をキャッシュさせない
- URLに特定の文字列を含む場合にキャッシュさせない
- 日本以外からのアクセスは403を返す
- 特定のパス配下のアクセスは404を返す
途中から解説を省いてますが手抜きではありません。
ほぼ解説の必要がないほどに、名前でどんなサンプルなのかが想像できるのも魅力のひとつです。
- 画像の加工方法を一括で指定する
→イメージオプティマイザー サービスのみで使用可能です
こちらは少し解説が必要ですね。
通常、イメージオプティマイザーで配信される画像を加工する際、URLにクエリストリングスを付与する必要があります。
例) 画像の幅高さを200pixel で固定する場合
https://example.com/img/sample.jpg?width=200&height=200
このサンプルスニペットを使用すると、VCLスニペットによって内部的に画像処理を施してくれるため、クエリストリングスを付与しなくてもよくなります。
上記の例で言いますと、デフォルトで生成される以下のVCLスニペットを適用することで (https://example.com/img/sample.jpg) にアクセスするだけで幅高さが200pixelに統一できるという訳です。便利ですね。
if (req.url ~ "^/img/"){ set req.url = querystring.add(req.url, "width", "200"); set req.url = querystring.add(req.url, "height", "200"); }
キャッシュ削除がより使いやすくなりました!
Fastly を基盤としている IDCFクラウド CDN はキャッシュ削除の速さが売りのひとつですが、これまではURLを直接指定する「URL削除」と、すべてのキャッシュを削除する「すべて削除」を使用されるケースがほとんどでした。
実はこれに加え、より便利な「まとめて削除」という機能があるのですが、ご存知だったでしょうか。
この機能は、「1個1個URL指定でキャッシュ削除するのは面倒臭い」「といってすべて削除したい訳じゃない」といったニーズに応えるものになっております。
もう少し具体的にいうと、特定のディレクトリ配下すべてのファイルをキャッシュ削除したい、特定の拡張子または特定のファイル名で指定してキャッシュ削除したい、といったケースに対応可能です。
まとめて削除の画面UIはこのようになっています。
入力欄にディレクトリやファイル名・拡張子をワイルドカードと絡めながら指定していきます。
入力例も詳しく載っていますので、迷うことなく使える UI になっているかと思います。
入力例
- ディレクトリ配下のすべてのファイルのキャッシュを削除する場合:/foo、/foo/bar
※ディレクトリ配下のディレクトリ内のキャッシュも削除されます。/foo/* を指定した場合には/foo/bar/配下のキャッシュも削除されます。 - 同一拡張子で削除する場合:/foo/*.png
- 同一ファイル名で削除する場合:/foo/example.*
- 複数指定(半角スペース区切り):/foo /bar
技術的にはサロゲートキー(キャッシュキーともいいます)を応用したものになります。 詳しくは、Yamgoya 2019 で弊社 浅沼 が登壇してしておりますので、ご覧ください。
vimeo.com
12:32 あたりから
こちらの機能は、本家 Fastly では提供していない IDCFクラウド CDN 独自の機能となっておりますので、ぜひご活用いただければと思います。
UIからキャッシュ確認ができるようになりました!
これまで、正常にキャッシュが行われているかどうかを確認するためにはブラウザの検証機能を利用したり、直接 curl コマンドを打って確認するほかありませんでした。
それを UI から簡単に可能にしたのが本機能になります。
確認方法につきましては、ご利用ガイドをご覧いただければと思います。
本家 Fastly にもキャッシュ確認機能の UI はございますが、IDCFクラウド CDN 独自に以下の機能が追加されております。
- 検索機能
フリーワード、もしくはステータス(HIT, MISS)での検索が可能です。 - 確認結果のダウンロード
確認結果を JSON 形式でダウンロードすることが可能です。
※検索機能で絞った状態でも、キャッシュ確認結果のすべてがダウンロードされますのでご留意ください。 - キャッシュキー
キャッシュキーを確認することが可能です。前述した「まとめて削除」に、このキャッシュキーを指定することができるため、より便利に利用することが可能になります!
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した機能は、以前からのお客様の要望を実現したものであったり、使いこなせば便利だが、使い方がわかりにくく埋もれてしまっていたものがフォーカスされております。
いずれも便利な機能だと思いますので、ぜひご利用いただければ幸いです。
IDCFクラウド CDN では、基盤である Fastly の強みを踏襲しつつ、独自の使いやすさやシンプルさを提供できるような開発を今後も目指していますのでご期待ください!