IDCF テックブログ

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FAQを分析したらUIの課題が色々見つかった話

こんにちは。 UI/UXデザイナーの関です。 IDCFクラウドのUI設計やユーザーリサーチを担当しています。
今回はIDCFクラウドのサービスの1つであるコンピュートについてFAQのアクセス分析からIDCFクラウドのUI改善へ繋げたお話をさせていただきます。

分析の目的

UIを改善するにあたって必要なのはユーザーを知ることです。
ユーザーの利用状況を理解して、つまづきそうなポイントがあれば先回りして回避することがユーザービリティ向上に繋がります。
そうしたユーザー理解なしに改善を行うと場当たり的な改善を繰り返すだけの運試し要素が強くなってしまいます。
とはいえ、弊社のようなBtoBサービスでは気軽にユーザーに話を聞きにいくのはハードルが高めなので、それ以外のタッチポイントからユーザー理解の根拠となるデータを集めないといけません。

そこで今回取り組んだのがFAQコンテンツのアクセス分析です。
詳細は後述しますが、疑問を持ったユーザーが集まるFAQコンテンツのアクセス状況を分析し、疑問の傾向を把握することで効果的なUI改善に繋げるという取り組みです。

収集したデータの整理

まずGoogleAnalyticsでコンピュートに関連するFAQの年間アクセス数を調べました。
そこからUIの改善に繋がりそうな「UIの操作に関するFAQ」と「用語に関するFAQ」のみをピックアップし、カテゴリー分類を行います。
ここでカテゴリー分類を行う理由は各FAQに対応するUIの改善といった局所的な視点だけでなく、どのようなカテゴリーのFAQがアクセス多く集めているかという全体的な視点から課題を認識するためです。

アクセス数順に並び替えたら、アクセス数を元に改善対象となるFAQの対象を絞り込み、次のような視点から具体的な改善施策を考えていきます。

  • 各FAQの内容からUI上でどのようなヒントがあれば解決できるか?
  • どのような画面設計であればユーザーを迷わせないか?

そこから各改善施策の優先度を決めて、実行フェーズへと移行します。
この際の優先度はアクセス数が多いほど優先度が高いのはもちろんですが、工数がどれくらいかかるかも加味して決定します。

具体的な改善施策を検討

ここからは具体的なユーザー傾向や改善施策を紹介していきます。

下の表がFAQのアクセス数の全体像です。
こうしてみると「ボリュームの拡張(リサイズ)手順を教えてください。」のアクセス数が圧倒的に多く、ボリュームの拡張のやり方に問題を抱えているユーザーが多そうです。

具体的な改善施策の一例として最もアクセス数が多かった「ボリュームの拡張(リサイズ)手順を教えてください。」を取り上げます。

FAQの内容を見をみると手順自体はそこまで迷うような複雑さはなさそうです。
なので、ボリュームの拡張に至るまでの過程に問題はないか見ていきます。
そうすると、仮想マシンにアタッチされていない場合、ボリュームの拡張ができずツールチップで「Allocatedのボリュームでは実行できません。」と表示されます。
これだけだと、どうやらリサイズはできなさそうだということは分かっても、ここからどうしていいのか分からないなのでツールチップ上で必要なアクションを記載するようにしました。

このように画面設計において、ユーザーを袋小路に陥らせないことは画面設計での重要な要素です。
今回紹介した改善施策はあくまで一例ですが、ニーズの高いFAQの内容をヒントにして、画面間の導線改修やツールチップの拡充、FAQやご利用ガイドなど外部のヘルプコンテンツへの誘導など色々な施策を打ち立てました。

一方でカテゴリーを見てみるとスナップショット関連のFAQにアクセスが多く、スナップショットに関する一連の操作に課題を抱えているユーザーが多そうです。
個別のFAQに対してUI改善は行うだけではなく、スナップショットの包括的な理解を促すこともニーズが高そうです。
IDCFクラウドのご利用ガイドを見てみるとスナップショットのガイドがなく*、ガイドを作成してIDCFクラウドから導線を設ければ包括的な理解を促進することができそうです。

*現在はスナップショットのご利用ガイドは設置されています。

まとめ

分析してみると色々なことが分かるもので、アクセス数だけではなく、FAQの次の遷移先や参照元、平均滞在時間等の指標と照らし合わせることで色々なことが見えてくるので奥が深いです。
今後は以下のような視点を持って、定期的にPDCAを回して更なる改善を図っていきたいと思います。

  • 改善の結果、FAQのアクセス数がどう変化したか?
  • これまで見られなかった新たな課題はあるか?
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